

私は、広い車内に1人で乗り込んだ。
”どこに、座ればいいんだ?”
Qは、運転している。
遠くて、話ができない。
私のコンドまでは、あっという間に着いた。
歩いてもすぐの距離だから。
Qが、運転席から振り返って、

少しだけ、僕の部屋に来て。
お願い。」
”送ってくれるって言ったじゃない。”

お願い。お願い。」
お願い攻撃に降参した。
Qのコンドは、すぐ近くだった。
ちょっとガラの悪いコンドと言われている所だった。
Qは、リムジンの仕事をしている。
仕事用のリムジンだった。
経営とたまに運転手も自分でやっていた。
いつも、穏やかで、やさしい人。
部屋は、綺麗に整頓されていた。
コーヒーを入れてくれたが、
もう早朝になっていた。
眠くて仕方なかった。
ベッドに座って、
少しおしゃべりをしていたが、
もう限界。
私は、ベッドに横たわってしまった。
そして、ウトウトと。
”寝ちゃダメ。起きてなきゃ。”
と、思いながらも
体がベッドに沈み込んでいった。
うつろな状態の中、
”サンダル脱がせてくれてる‥‥。”
”ん? 何か唇に触れた?”
と、夢なのか、現実なのか。
とうとう、寝入ってしまった。
数時間後、目を覚ますと、
Qも隣で寝ている。
私が、体を動かすと、
すぐに目を覚ましてしまった。




アリスが寝ている時、
キスしちゃった。」
”あれは、やっぱり。”

”えっ!どうしよう。まずいよ。”
と、答えに困っている間に
また、キスされてしまった。
それも、ディープに。
”これ以上は、絶対にマズイ!”




今度は、歩いて送ってくれた。
別れ際、電話番号を教えてくれと言われた。
”Qなら、いいかな。”

と、帰っていった。


ルミと彼氏のトニーが来ていた。

前の日、トオルの部屋に泊まって、
次の日に、またQの部屋に泊まった。
とは、言えなかった。
どちらも、何もなかったのだが。
しばらくして、電話が鳴った。
ルミが出た。

”はやッ”


またアリスに会いたいよ。
大好き。
今から、仕事行ってくる。
また、後で電話する。」

”なんか、
押されちゃってるな。”

にほんブログ村
