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*目次*

2009年08月31日

帰国5日前

帰国5日前。

朝から、トオルの仕事の時間まで、

また、ほとんどベッドで過ごす。



何度もメイクラブする。

2人の体が、溶けて、

くっ付いてしまえばいいと思う。



スペード「アリス、俺で満足できる?」

ハート「なんで、そんなこと言うの?」

スペード「アリスは、いろんなヤツとつきあっただろ。」



”それって、アメリカ人、ブラックという意味?

 トオルは、やっぱり気にしてるんだ。”



ハート「トオルじゃなきゃイヤ。」



”トオルこそ、多分恐ろしい数の子としてる。

 私も比べられているのだろうか。”



ハート「トオルは?

 もう私としかできないんだよ。いいの?」

スペード「アリスが1番だよ。」



嘘でも、そう言ってほしかった。

よかった。




スペード「そろそろ支度しないと。

 先にシャワー浴びる?」

ハート「一緒に入ろ。」


部屋の割りに、

バスルームは広かった。



スペード「髪洗ってあげる。」

ハート「人に洗ってもらうと、気持ちいいんだよねー。」


”まずいっ!また余計なこと言った?”

トオルは、何も感じてない様子。

ホッ。



スペード「体も洗う?」

ハート「うん。」

スペード「俺、女の体洗うの初めて。

 洗ってもらったことはあるけど。」

ハート「トオルは、キングだね。」

スペード「アリスとは、初めてのことばっかり。」



私も、トオルの髪と体を洗ってあげる。

トオルの体が、

反応するように。

トオルの体は、素直に反応した。

バスルームの中でも、

もう一度、ひとつになった。



スペード「もう。無理!」

ハート「もっと。もっと。」



いくらメイクラブしても、

足りなかった。

どうすれば、この好きだって気持ちを

表しきれるのか、

満足できるのか、

わからない。


メイクラブだけでは、埋まらなかった。



トオルは、仕事に行く。

最後に手を離す瞬間、

一瞬で、トオルが遠くに行ってしまう気がする。

たった、数時間の我慢なのに。



自分の部屋は、トオルのいない時に

ちょっと寄る場所になっていた。



ダイヤ「アリス、全然部屋にいなくて淋しいよ。」

ルミが言う。

ハート「ごめんね。でもさ‥。」

ダイヤ「わかってる。

 今は、トオルといなきゃダメだよ。」



一緒にスーパーに買い物に行く。

何でもない、いつもの行動1つ1つが、

たまらない。

”もう、ルミとスーパー来るのも最後かな。”



ルミの大好きなバナナとアイスクリームをカートに入れる。

ダイヤ「ありがとう。」



本当に、上手くいった共同生活だった。

何ももめることなく、

ただ楽しかった。



夜中12時。

ルミときーちゃんと一緒にクラブに向かう。

向こうから、トオルが歩いて来る。



スペード「待ちきれなくて、迎えに来た。」

私は、トオルに飛びついた。



ダイヤ「トオルといるアリス、カワイイ。」

ハート「お姉ちゃんなんですけどー。」

ダイヤ「だって、そんなに甘えるんだーって、

 びっくり。」

スペード「アリス、いつもは違うの?

 すごい甘ったれだけど。」

ダイヤ「全然違う。もっとしっかりしてる。」



”そうかな?

 そうかも。

 思いっきり、甘えておきたい。

 ずっと、誰かに甘えたかったんだ。”




その日。

通い続けたクラブで、

トオルは言った。



『結婚しよう。』



生まれて初めて

プロポーズされた。

私は、ただ頷いた。



びっくりも、

舞い上がりもしなかった。

当然のことのように思えたから。

トオルと結婚しないで、

誰とできる?

そう思った。



恋人が、フィアンセに変わった。

いや、何も変わっていない。
 
お互い、大好きなだけ。



私が、メイクラブだけでは、埋められない。

と思っていたように、

トオルもこれ以上の

愛情表現は、プロポーズしかない

と思ったのかもしれない。


トオルの最上級の愛情を表してもらった。



ルミにもきーちゃんにも、言わなかった。

1人で心にしまっておきたかった。

大事にしたかった。



そして、私は、いつもの通り、

トオルの部屋に帰った。

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2009年08月30日

帰国6日前

帰国6日前。

トオルの仕事が終わり、

今日は、

みんなとクラブには行かず、
 
2人でBARに行った。

カラカウアから少し入った所にある。

でも、日本人は、私達だけ。

あとは、ほとんど白人。



ハート「こうゆう所も来るんだ。」

スペード「たまにね。
 
 あっ。そうだ。

 アリスやったな。」

ハート「何を?」

スペード「これ。皆にからかわれた。」



見ると、トオルの首筋に赤いものが二つ。



ハート「何?これ。」

スペード「キスマークだろ!」

ハート「そうなの?」

スペード「アリスがやったんでしょ。」

ハート「そうなの?そんなつもりなかった。

 ‥‥そーなんだー。

 じゃ、今日もいっぱい付けてあげる。」

スペード「やめて!」



キスマークなんて、

子供っぽい、恥ずかしい事、

わざとしたわけではなかった。

でも、おもしろいかも。

”また、やっちゃお!”



トオルは、外では

ベタベタした態度は取らない。

私が、トオルの脚にずっと手をおいている。

いつも触れていたかった。



スペード「ちょっとトイレに行ってくる。」

と、トオルが席を離れた途端、

それだけで淋しくなる。

トオルに触れていれないことが

不安になる。

体が震えた。



”こんなんで、トオルから離れて、

 日本に帰れるのだろうか?”


トオルが席に戻った。

私は、正直に伝えた。

ハート「今、トオルがいなかっただけで、

 すごく淋しかった。

 不安でしょうがなかった。」

スペード「アリス‥。そんなこと‥。

 言わないでくれよ。」



トオルは、私を抱きしめた。

スペード「離れるのつらいな。」




部屋に戻った。

今日は、セックスできる。

私は、初めての時のように

緊張していた。


ちゃんと、トオルの恋人になって、

初めて‥。

今までとは、全く違っていた。



今までは、キス、

いや握手の延長みたいなものだった。




トオルと繋がっていることが、

何よりうれしかった。

幸せだった。



これが、本当のメイクラブだ。



トオルの腕の中で眠れるのも

あと、数日。

涙がこぼれた。

離れたくない。

離れられない。



スペード「アリス、大丈夫?泣いてるの?」

ハート「大丈夫じゃない。

 考えないようにしてたけど、

 もうダメ。

 トオルと離れたくない。」


スペード「ゴメン。

 ちょっとだけ待ってて。

 なるべく早く日本に帰るから。」



”こんなこと言っても、

 トオルを苦しめるだけだ。

 もう、やめよう。

 楽しく過ごしたい。

 笑っていよう。”



ハート「あんまり、待たせると、

 他の人と付き合っちゃうよー。」

スペード「それが、一番心配なんだよなー。」


”絶対、ないよ!!”



スペード「1日、仕事休みもらおうかな。」

ハート「ほんと?!」


トオルは、休みなく、毎日働いていた。


スペード「頼んでみる。

 レンタカー借りて、ドライブ行こう。

 スワップミート行きたいから、

 土曜日か、日曜日。」

ハート「嬉しい揺れるハート

 きーちゃんも誘っていい?」

スペード「もちろん。」



残された貴重な時間。

メソメソしないで、

楽しく過ごそう。


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2009年08月29日

ワイキキ

狭いトオルの部屋が、

私達の愛の巣だ。



スペード「まだ、エッチできないの?」

ハート「まだ、ダメ。」

スペード「アリスを抱きたい。」

ハート「私も‥。」



あと、一週間しかなかった。

2人とも焦っていた。

どうやって、過ごすのが一番いいのか。

とにかく、

少しでも長く、そして、

少しでも近くに

いたかった。



その意味で、

私はトオルに抱いてもらいたかった。

トオルと繋がっていたかった。



これからのことも、

たくさん話し合った。


スペード「アリスの誕生日までには、

 必ず日本に帰るから、

 待ってて欲しい。」


トオルは、そう言い続けた。

私は、正直、先の事は

ぼんやりとしか考えられなかった。


トオルとは、今始まったばかり。

今しか考えられなった。

今のトオルとの貴重な時間が

愛しくて仕方なかった。




この日から、

トオルの仕事の時間以外は、

ずっと一緒に過ごした。



昼間はほとんど部屋で。

ただ、寄り添っていた。

愛を語り合って。

他人が聞いたら、

バカらしくて聞いていられないようなことを

ひつこいほど繰り返していた。

お互い、思ったことを素直に口に出していた。




スペード「こんなに何時間もベッドで過ごすのは、

 初めてだよ。」

ハート「私も。でもこの部屋

 ベッドの上以外居場所ないもん。」

スペード「アリスの部屋は広いの?」

ハート「広いよ。行ってみる?」

スペード「いい。行きたくない。」

ハート「なんで?ルミ達がいるから?」

スペード「そうじゃないけど。いい。」

ハート「そう‥。」


”そう言えば、

 トオルは私の部屋に上がったことがない。”




私達の時間は、短か過ぎた。



でも、

”どうして、もっと早く出会わなかったのか。”

とは、考えなかった。

”出会えてよかった。”

としか。




トオルと会えない時間は、

友達と最後のワイキキを

楽しんだ。



観光客の行くような所に

足を運び、

今まで、’いつでもできる’

と思ってやらなかったことをやったり、

ブランド物の買い物をしたり、

行きたかったお店で食事をしたり、

やりたいこと、行きたい所は、

今更、たくさんあった。



でも、何よりも

やりたいことは、

トオルと一緒にいること。

行きたい場所は、

トオルの腕の中だった。

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