朝から、トオルの仕事の時間まで、
また、ほとんどベッドで過ごす。
何度もメイクラブする。
2人の体が、溶けて、
くっ付いてしまえばいいと思う。



”それって、アメリカ人、ブラックという意味?
トオルは、やっぱり気にしてるんだ。”

”トオルこそ、多分恐ろしい数の子としてる。
私も比べられているのだろうか。”

もう私としかできないんだよ。いいの?」

嘘でも、そう言ってほしかった。
よかった。

先にシャワー浴びる?」

部屋の割りに、
バスルームは広かった。


”まずいっ!また余計なこと言った?”
トオルは、何も感じてない様子。
ホッ。



洗ってもらったことはあるけど。」


私も、トオルの髪と体を洗ってあげる。
トオルの体が、
反応するように。
トオルの体は、素直に反応した。
バスルームの中でも、
もう一度、ひとつになった。


いくらメイクラブしても、
足りなかった。
どうすれば、この好きだって気持ちを
表しきれるのか、
満足できるのか、
わからない。
メイクラブだけでは、埋まらなかった。
トオルは、仕事に行く。
最後に手を離す瞬間、
一瞬で、トオルが遠くに行ってしまう気がする。
たった、数時間の我慢なのに。
自分の部屋は、トオルのいない時に
ちょっと寄る場所になっていた。

ルミが言う。


今は、トオルといなきゃダメだよ。」
一緒にスーパーに買い物に行く。
何でもない、いつもの行動1つ1つが、
たまらない。
”もう、ルミとスーパー来るのも最後かな。”
ルミの大好きなバナナとアイスクリームをカートに入れる。

本当に、上手くいった共同生活だった。
何ももめることなく、
ただ楽しかった。
夜中12時。
ルミときーちゃんと一緒にクラブに向かう。
向こうから、トオルが歩いて来る。

私は、トオルに飛びついた。



びっくり。」

すごい甘ったれだけど。」

”そうかな?
そうかも。
思いっきり、甘えておきたい。
ずっと、誰かに甘えたかったんだ。”
その日。
通い続けたクラブで、
トオルは言った。
『結婚しよう。』
生まれて初めて
プロポーズされた。
私は、ただ頷いた。
びっくりも、
舞い上がりもしなかった。
当然のことのように思えたから。
トオルと結婚しないで、
誰とできる?
そう思った。
恋人が、フィアンセに変わった。
いや、何も変わっていない。
お互い、大好きなだけ。
私が、メイクラブだけでは、埋められない。
と思っていたように、
トオルもこれ以上の
愛情表現は、プロポーズしかない
と思ったのかもしれない。
トオルの最上級の愛情を表してもらった。
ルミにもきーちゃんにも、言わなかった。
1人で心にしまっておきたかった。
大事にしたかった。
そして、私は、いつもの通り、
トオルの部屋に帰った。
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