トオルが夢を見たと。

野原みたいな所にいるんだ。
ピクニックかな。
そして、近くに子供がいて、
それが双子だった。」

うれしい。双子。」
トオルと家族を持てる。
どんなに幸せだろう。
今よりももっと幸せになんて、
あるのだろうか。
何もしない、
ただトオルと過ごす
なんでもないこの時間が
ずっと続けばいいのに。

早目に部屋に帰らないと。
急いで全部終わらせて、
トオルの仕事場に行くから。」



”あー。
昨日、さっさと終わらせればよかった。
そしたら、今日はずっと
トオルと一緒にいられたのに‥。”
後悔。
私は、1人で部屋に戻った。
荷造りを始める。
思ってたより、大変。
荷物が、結構増えている。
思い出に浸っている時間はない。
とりあえず、詰める。
大体終わった所で、
”あっ!お土産買ってない!!”
夕方になって、お土産を買いに
アラモアナに。
行く前にトオルの所に寄る。

おみやげ全然買ってなかった。」


急がないと。じゃね。行ってきます。」
急いで、家族や友達にお土産を買う。
帰りにもう一度、トオルの所に寄る。

また、後でね。」

2人で写真撮ってもらおう。
写真一枚もないだろ。」

考えてなかった。
んー。でも、お化粧もしてないよー。」

私たちは、初めて写真を撮った。
それまで、写真のことなど、
頭になかった。
離れてしまうのに。
写真もなくて、どうするつもりだったんだ?!
それから、トオルは仕事を少し抜け出して、
インターナショナルマーケットの
ハワイアンジュエリー屋さんに私を連れて行った。
そこで、
もう一度、シルバーのリングを買ってくれた。

今度は、投げられないように、
大事にする。」

トオルが仕事終わるまでに、ガンバル。
じゃ、後でね。」
部屋に帰ると、
お別れパーティーの準備がしてあった。

妹のようなルミとも
今日でお別れ。
私たちは、似ていた。
男に対してすぐ熱くなるところが‥。
だから、お互いの気持ちをよく理解できた。
きーちゃんは、そんな私たちを
冷静に見てくれていた。
一息ついて、
パーティーを始める。
いやおうなしに盛り上がる。
荷造りは‥‥。
あっという間に、時間は経ってしまう。
トオルから電話。




初めて、トオルが部屋に来た。
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