眠らないで、朝になった。
飛行機は、正午に発つ。
早目にコンドに戻らないといけない。
まだまだ2人でいたかった。
でももう行かなければならない。
トオルの部屋にも別れを告げる。
2人で早朝のバスに乗る。
バスもこれが最後。
どこに行くにもバスだった。
トオルは、握っている私の手にキスした。
トオルの顔を見る。
トオルは、前をじっと見ている。
トオルの横顔を頭に焼き付ける。
部屋に着いて、
昨夜の後片付けをする。
私が、帰国したあと、
ルミが1人でこの部屋を引き払ってくれる。
少しでも綺麗にしておかないと。
バタバタと忙しく、
あっという間に出る時間になった。
ルミときーちゃんとトオルと4人で
空港に向かう。
時間が止まってほしかった。
あと、3時間‥。



アリスを信じてるから。」

でも、淋しすぎる。」
涙はこらえる。
泣いたらお終い。
止まらなくなってしまう。

帰るから一緒にお祝いしよう。
それまでに、もっといい女になっててよ。」

トオルは、何度も
”すぐ日本に帰るから、待ってて。”
と言った。
きーちゃんとは、違う便だった。
空港で先にルミとお別れをする。
ルミとの別れも本当に辛かった。

トオルのことも報告するね。」

1人でがんばるんだよ。」
2人とも懸命に泣くのを堪えて、
ホグして別れた。
きーちゃんとは、また成田で会う約束をして。
トオルと2人になった。
飛行機が出たら、
もうトオルに触れることできない。
それが、1番辛かった。
遠距離恋愛なんてしたことなかった。
寂しさに耐えられるだろうか。
搭乗口の待合室まで来てしまった。
トオルは、いつもするように
私を膝に座らせて、
じっと顔を見つめた。

離れてもこの気持ちは、絶対に変わらないから。」

トオルは、いつもつけている
ハワイアンジュエリーのリングを
外して、私の手の中置いた。
トオルの名前が彫ってある。

アリスが持ってて。」

トオルに抱きついて、
懸命に泣くのをこらえた。
時間は止まってくれない。
どうにもならない。
トオルから離れないといけない。
私達は、何度もキスをして、
‥手を離した。
飛行機に近づきながら、
何度も振り返る。
トオルは、ずっと笑顔だった。
そして、最後に
”あいしてる”
と、口を動かした。
トオルと離れる現実の時がきてしまった。
これからの私達は、どうなるのだろう。
そして、私のハワイ生活も終わった。
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