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*目次*

2009年08月31日

帰国5日前

帰国5日前。

朝から、トオルの仕事の時間まで、

また、ほとんどベッドで過ごす。



何度もメイクラブする。

2人の体が、溶けて、

くっ付いてしまえばいいと思う。



スペード「アリス、俺で満足できる?」

ハート「なんで、そんなこと言うの?」

スペード「アリスは、いろんなヤツとつきあっただろ。」



”それって、アメリカ人、ブラックという意味?

 トオルは、やっぱり気にしてるんだ。”



ハート「トオルじゃなきゃイヤ。」



”トオルこそ、多分恐ろしい数の子としてる。

 私も比べられているのだろうか。”



ハート「トオルは?

 もう私としかできないんだよ。いいの?」

スペード「アリスが1番だよ。」



嘘でも、そう言ってほしかった。

よかった。




スペード「そろそろ支度しないと。

 先にシャワー浴びる?」

ハート「一緒に入ろ。」


部屋の割りに、

バスルームは広かった。



スペード「髪洗ってあげる。」

ハート「人に洗ってもらうと、気持ちいいんだよねー。」


”まずいっ!また余計なこと言った?”

トオルは、何も感じてない様子。

ホッ。



スペード「体も洗う?」

ハート「うん。」

スペード「俺、女の体洗うの初めて。

 洗ってもらったことはあるけど。」

ハート「トオルは、キングだね。」

スペード「アリスとは、初めてのことばっかり。」



私も、トオルの髪と体を洗ってあげる。

トオルの体が、

反応するように。

トオルの体は、素直に反応した。

バスルームの中でも、

もう一度、ひとつになった。



スペード「もう。無理!」

ハート「もっと。もっと。」



いくらメイクラブしても、

足りなかった。

どうすれば、この好きだって気持ちを

表しきれるのか、

満足できるのか、

わからない。


メイクラブだけでは、埋まらなかった。



トオルは、仕事に行く。

最後に手を離す瞬間、

一瞬で、トオルが遠くに行ってしまう気がする。

たった、数時間の我慢なのに。



自分の部屋は、トオルのいない時に

ちょっと寄る場所になっていた。



ダイヤ「アリス、全然部屋にいなくて淋しいよ。」

ルミが言う。

ハート「ごめんね。でもさ‥。」

ダイヤ「わかってる。

 今は、トオルといなきゃダメだよ。」



一緒にスーパーに買い物に行く。

何でもない、いつもの行動1つ1つが、

たまらない。

”もう、ルミとスーパー来るのも最後かな。”



ルミの大好きなバナナとアイスクリームをカートに入れる。

ダイヤ「ありがとう。」



本当に、上手くいった共同生活だった。

何ももめることなく、

ただ楽しかった。



夜中12時。

ルミときーちゃんと一緒にクラブに向かう。

向こうから、トオルが歩いて来る。



スペード「待ちきれなくて、迎えに来た。」

私は、トオルに飛びついた。



ダイヤ「トオルといるアリス、カワイイ。」

ハート「お姉ちゃんなんですけどー。」

ダイヤ「だって、そんなに甘えるんだーって、

 びっくり。」

スペード「アリス、いつもは違うの?

 すごい甘ったれだけど。」

ダイヤ「全然違う。もっとしっかりしてる。」



”そうかな?

 そうかも。

 思いっきり、甘えておきたい。

 ずっと、誰かに甘えたかったんだ。”




その日。

通い続けたクラブで、

トオルは言った。



『結婚しよう。』



生まれて初めて

プロポーズされた。

私は、ただ頷いた。



びっくりも、

舞い上がりもしなかった。

当然のことのように思えたから。

トオルと結婚しないで、

誰とできる?

そう思った。



恋人が、フィアンセに変わった。

いや、何も変わっていない。
 
お互い、大好きなだけ。



私が、メイクラブだけでは、埋められない。

と思っていたように、

トオルもこれ以上の

愛情表現は、プロポーズしかない

と思ったのかもしれない。


トオルの最上級の愛情を表してもらった。



ルミにもきーちゃんにも、言わなかった。

1人で心にしまっておきたかった。

大事にしたかった。



そして、私は、いつもの通り、

トオルの部屋に帰った。

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2009年08月30日

帰国6日前

帰国6日前。

トオルの仕事が終わり、

今日は、

みんなとクラブには行かず、
 
2人でBARに行った。

カラカウアから少し入った所にある。

でも、日本人は、私達だけ。

あとは、ほとんど白人。



ハート「こうゆう所も来るんだ。」

スペード「たまにね。
 
 あっ。そうだ。

 アリスやったな。」

ハート「何を?」

スペード「これ。皆にからかわれた。」



見ると、トオルの首筋に赤いものが二つ。



ハート「何?これ。」

スペード「キスマークだろ!」

ハート「そうなの?」

スペード「アリスがやったんでしょ。」

ハート「そうなの?そんなつもりなかった。

 ‥‥そーなんだー。

 じゃ、今日もいっぱい付けてあげる。」

スペード「やめて!」



キスマークなんて、

子供っぽい、恥ずかしい事、

わざとしたわけではなかった。

でも、おもしろいかも。

”また、やっちゃお!”



トオルは、外では

ベタベタした態度は取らない。

私が、トオルの脚にずっと手をおいている。

いつも触れていたかった。



スペード「ちょっとトイレに行ってくる。」

と、トオルが席を離れた途端、

それだけで淋しくなる。

トオルに触れていれないことが

不安になる。

体が震えた。



”こんなんで、トオルから離れて、

 日本に帰れるのだろうか?”


トオルが席に戻った。

私は、正直に伝えた。

ハート「今、トオルがいなかっただけで、

 すごく淋しかった。

 不安でしょうがなかった。」

スペード「アリス‥。そんなこと‥。

 言わないでくれよ。」



トオルは、私を抱きしめた。

スペード「離れるのつらいな。」




部屋に戻った。

今日は、セックスできる。

私は、初めての時のように

緊張していた。


ちゃんと、トオルの恋人になって、

初めて‥。

今までとは、全く違っていた。



今までは、キス、

いや握手の延長みたいなものだった。




トオルと繋がっていることが、

何よりうれしかった。

幸せだった。



これが、本当のメイクラブだ。



トオルの腕の中で眠れるのも

あと、数日。

涙がこぼれた。

離れたくない。

離れられない。



スペード「アリス、大丈夫?泣いてるの?」

ハート「大丈夫じゃない。

 考えないようにしてたけど、

 もうダメ。

 トオルと離れたくない。」


スペード「ゴメン。

 ちょっとだけ待ってて。

 なるべく早く日本に帰るから。」



”こんなこと言っても、

 トオルを苦しめるだけだ。

 もう、やめよう。

 楽しく過ごしたい。

 笑っていよう。”



ハート「あんまり、待たせると、

 他の人と付き合っちゃうよー。」

スペード「それが、一番心配なんだよなー。」


”絶対、ないよ!!”



スペード「1日、仕事休みもらおうかな。」

ハート「ほんと?!」


トオルは、休みなく、毎日働いていた。


スペード「頼んでみる。

 レンタカー借りて、ドライブ行こう。

 スワップミート行きたいから、

 土曜日か、日曜日。」

ハート「嬉しい揺れるハート

 きーちゃんも誘っていい?」

スペード「もちろん。」



残された貴重な時間。

メソメソしないで、

楽しく過ごそう。


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2009年08月29日

ワイキキ

狭いトオルの部屋が、

私達の愛の巣だ。



スペード「まだ、エッチできないの?」

ハート「まだ、ダメ。」

スペード「アリスを抱きたい。」

ハート「私も‥。」



あと、一週間しかなかった。

2人とも焦っていた。

どうやって、過ごすのが一番いいのか。

とにかく、

少しでも長く、そして、

少しでも近くに

いたかった。



その意味で、

私はトオルに抱いてもらいたかった。

トオルと繋がっていたかった。



これからのことも、

たくさん話し合った。


スペード「アリスの誕生日までには、

 必ず日本に帰るから、

 待ってて欲しい。」


トオルは、そう言い続けた。

私は、正直、先の事は

ぼんやりとしか考えられなかった。


トオルとは、今始まったばかり。

今しか考えられなった。

今のトオルとの貴重な時間が

愛しくて仕方なかった。




この日から、

トオルの仕事の時間以外は、

ずっと一緒に過ごした。



昼間はほとんど部屋で。

ただ、寄り添っていた。

愛を語り合って。

他人が聞いたら、

バカらしくて聞いていられないようなことを

ひつこいほど繰り返していた。

お互い、思ったことを素直に口に出していた。




スペード「こんなに何時間もベッドで過ごすのは、

 初めてだよ。」

ハート「私も。でもこの部屋

 ベッドの上以外居場所ないもん。」

スペード「アリスの部屋は広いの?」

ハート「広いよ。行ってみる?」

スペード「いい。行きたくない。」

ハート「なんで?ルミ達がいるから?」

スペード「そうじゃないけど。いい。」

ハート「そう‥。」


”そう言えば、

 トオルは私の部屋に上がったことがない。”




私達の時間は、短か過ぎた。



でも、

”どうして、もっと早く出会わなかったのか。”

とは、考えなかった。

”出会えてよかった。”

としか。




トオルと会えない時間は、

友達と最後のワイキキを

楽しんだ。



観光客の行くような所に

足を運び、

今まで、’いつでもできる’

と思ってやらなかったことをやったり、

ブランド物の買い物をしたり、

行きたかったお店で食事をしたり、

やりたいこと、行きたい所は、

今更、たくさんあった。



でも、何よりも

やりたいことは、

トオルと一緒にいること。

行きたい場所は、

トオルの腕の中だった。

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2009年08月28日

ルームメイト

これまでのワイキキでの恋が

全て終わった。

最後にトオルだけが残った。

本物の恋人。

心から、愛し、愛される人。




私は、トオルと出会うために、

今まで、たくさんの人と

付き合ってきたのだろうか。

そうしないと、出会えない人

だったのかも知れない。



今日は、部屋で

きーちゃんとルミと過ごす。

この部屋で過ごす時間もあとわずか。

ルミと一緒にいるのも。



恋人は、変わっても、

友達は、変わらない。

いつも側にいてくれた。




料理をたくさん作り、

お酒もたくさん用意して、

夕方から、また飲み始めた。



私は、もともとお酒が弱くて、

あまり飲めなかった。

それが、ハワイで

飲めるようになってしまった。

お酒の楽しさもハワイで覚えた。



部屋には、ビール、ジン、ウォッカ、カルアが

常備されている。



話は、つきない。

話して、飲んで、

酔うと、部屋でも踊り出す。

テレビのリクエスト番組に

どんどん電話をして、

曲をリクエストする。

それが、かかると

またさらに盛り上がる。



他人と一緒に暮らすなんて、

面倒だと思っていた。

でも、こんなに仲良くなって、

大好きになった

友達と一緒に暮らせるのは、

本当に楽しかった。



たくさんの恋愛以上に

この一生の友ができたことが、

ハワイ、ワイキキでの生活で

私が得た大きな宝だ。

この出会いに

心から感謝している。




あっという間に、真夜中。



トオルから電話。

今日は、残業だった。

夜中2時半。

今から、迎えに行くと。

トオルは、私を部屋に連れて帰る。




ハート「今日は、最高に楽しかったハートたち(複数ハート)

スペード「3人でゆっくり話せた?」

ハート「うん!」



ハート「あっ。今日Jに会った。

 話して、ちゃんとバイバイしたから。」

スペード「J、俺の所にも来たよ。

 殴ったこと謝って。

 アリスを頼んだって。」


”J。偉いじゃん。やっぱりいい子。”


スペード「あの日、Jのこと追いかけて行ったんだって?」

ハート「そんなことまで、言ってたの?」

スペード「アリスは、淋しがりだから、

 ちゃんと面倒みろって。」



”J、ありがとう。

 トオルもありがとう。

 ルミもきーちゃんも。”

 

みんなの優しさに、また感謝。

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2009年08月27日

J、バイバイ。

トオルの部屋まで歩いて帰る。

堂々と手を繋いで。

もう、誰に見られても大丈夫なんだ。

そんなことだけでも幸せを感じられる。



スペード「お腹すいたなー。

 セブンイレブン行こう。」

ホットドッグを買った。

2人で、食べながら帰る。



大口を開けて、食べている時、

トオルの知り合いの女の子達に会った。



ダイヤ「トオル、久しぶり!」

スペード「よお!またな。」



ハート「今のあまりに素っ気無くない?」

スペード「いいよ。

 もう、前の俺とは違うから。」

ハート「そっか。」

スペード「今、アリスのことしか考えられない。」



私は、幸せだー。


毎分毎分、幸せを実感しているような感じだった。



早く、トオルと2人っきりになりたかった。

トオルに思いっきり甘えたかった。

思いっきり好きだと言う事を

表したかった。

恐る恐るトオルの反応を気にしなくてもいい。

すかされることはない。

受け止めてもらえる。

安心して、たくさんの愛情を注げる。



人に愛されるのは、うれしい。

でも、人を愛せることの方が、

私は、もっとうれしい。




こんなに深く、人を思えるのは、

あの、長年好きだった彼以来だ。

あれ以上の思いは、ないと思っていた。

同じ位の思いを、また持てている。



トオルも言ってくれた。

『こんなに女を愛したことはない』って。


これ以上ない言葉だった。




お昼頃、自分の部屋に戻る。

きーちゃんもルミもまだ寝ている。

きっと、昨夜は、

あれからも相当飲んだのだろう。



電話が鳴った。

Jから。

スペード「今から、話しに行っていい?」

ハート「うん。」



どうしよう。

怖い。

トオルに電話する?

いや、これは自分で決着つけなきゃ。



すぐにJは、やって来た。

電話では、とても怖い声色だった。

でも、そんなに怖い顔は、していない。



スペード「トオルとずっとつきあってて、

 俺ともつきあってたの?」

ハート「違う。

 Jが好きだった。

 でも、Jに会えなくて‥。」

スペード「淋しくて?」

ハート「初めは、そうだった。」

スペード「今は?」

ハート「‥トオルが好き。

 付き合うようになった。」

スペード「しょうがないな。

 俺は、彼女がいて、

 いつもアリスと一緒にいられないから。」


”そうよ。

 なんか、私だけが悪いみたいに。

 そもそも、Jは彼女いるじゃない!”



スペード「わかった。トオルの傷は?」

ハート「よくなってきてる。大丈夫だよ。」

スペード「じゃ、俺、帰る。」


Jは、私を軽く抱きしめた。

そして、部屋を出て行った。

J、バイバイ。”



ルミときーちゃんが、部屋から出てきた。

ダイヤ「J、帰った?」

ハート「うん。バイバイした。

 J、もう怒ってなかった。」

ダイヤ「J、思ってたよりイイ人だった。」

ルミが言った。



私もそう思う。

ワイキキの悪ガキは、

結構イイ人だった


Jとの時間もとても貴重な楽しい時だった。

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2009年08月26日

トオルが恋人です!

   
ハート「ただいまー!」

ダイヤ×2「お帰りー!」

きーちゃんもいる黒ハート



ハート「私、トオルとちゃんと付き合うことになった!」

ダイヤ(きーちゃん)「想像つかない。」

ダイヤ(ルミ)「そうでしょ。
 
 私も最初にトオルと‥って聞いた時は驚いたよ。

 でも、よかったね。アリス!」

ハート「ありがとう。私も、驚いてるけど‥。

 顔、ひどかったよ。可愛そう。」

ダイヤ「Jから何度も電話あったよ。

 何処行ってるって、恐かった。」



すぐに

電話が鳴った。

Jからだった。


スペード「何処行ってたの?」

ハート「トオルのところ。」

スペード「トオルが好きなの?」

ハート「うん。」


もう、はっきり言える。



スペード「トオル、ケガ、大丈夫?」

ハート「うーーん。まあ。」

スペード「明日、会える?

 2人で話した方がいいでしょ。」

ハート「うん。そうだね。」

スペード「明日、また電話する。」



はぁー。

きつかった。

もう一度、会わないといけないのか。

そうだね。

ケジメつけよう。



それからは、

きーちゃんとの久しぶりの再会を

やっと楽しむ。



でも、きーちゃんが一番楽しみにしているのは、

クラブだ。

今日は、早くから繰り出すことにした。



まだ、トオルの仕事は終わっていない。

ルミときーちゃんには、先に行ってもらい、

私は、トオルの仕事場へ行った。

改めて見て、ひどい顔。

お店のオーナーに言われた。



クラブ「これは、アリスのせいなんだって?」

ハート「そうです。ごめんなさい。」

クラブ「トオルは、ずっとアリスのこと話してるよ。

 もう、うるさいっ。」



トオルの仕事が終わるまで、そこで待っていた。

そして、一緒に、きーちゃんのところに。



きーちゃんがハワイに戻ってきたことと、

私達が、カップルになったことを

みんなで祝った。



マックスも

クラブ「トオルが恋人?良かったね。」

と、言ってくれた。



胸張って、”恋人がいる”って、

言えることが

こんなに幸せなことなんだって、

改めて幸せを噛みしめた。



きーちゃんと、ルミと

たくさん飲んで、

たくさん踊って、

たくさん笑って。

それをトオルが見守っていてくれる。

最高!!



昨日、私を助けてくれたカップルが来た。


ハート「昨日は、ありがとうございました。」

ダイヤ「あなた、大丈夫?」

ハート「はい。私は‥。」

ダイヤ「トオルは、ひどい顔ね。

 Jも、喧嘩する子じゃないのに。

 Jと付き合っているの?」

ハート「いえ。トオルと。

 昨日からですけど‥。」

ダイヤ「勝利の負傷ね。

 色々あると思うけど、気を付けてね。」

ハート「はい、本当にありがとうございました。」



トオルの傷は、生々しいが、

昨日の出来事は大昔のことのよう。

昨日と今日は、こんなにも違う日になっている。



私とトオルは先に帰った。

帰る部屋は、

もうトオルの所だ。

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2009年08月25日

トオルの顔

泣き腫らした顔で、

トオルの部屋にやって来た。



でも、トオルの顔の腫れは、

尋常ではなかった。

それを見て、私はまた泣いた。



まるで、打たれたボクサー。

片目は、ほとんど開かない。



ハート「全然大丈夫じゃないじゃん。」

スペード「大丈夫だよ。すぐ直るよ。」

ハート「トオルは、手出さなかったよね。」

スペード「絶対、手は出さない。

 事件になったら大変だから。」



ハート「ほんとに、ごめんね。」

スペード「いいよ。今、アリスがここにいてくれるから。」



スペード「Jとずっと付き合ってたの?」

ハート「ずっとじゃないし、彼女いるでしょ。」

スペード「誰かいるのかな、とは思ってたけど、

 相手が、Jとは‥。」

ハート「もう、会わないよ。」



スペード「ずっと、アリスのこと考えてた。

 もう、会ってくれないと思ってた。」

ハート「私も。」



スペード「俺の気持ちは変わってないよ。

 アリスが好き。アリスは?」

ハート「私もトオルが好き。」



自分で言葉に出してみて、

確信した。

”私は、トオルが好きなんだ。”

なんで、トオルを恋人と考えなかったのだろう。

多分、理由は、

日本人だったから。

それだけだ。



スペード「俺達、付き合う?」

ハート「うん!トオルといたい。」



すごい回り道をして、

私達は、付き合うことになった。

やっと、お互い素直になって。



最後になって、日本人の恋人ができるとは、

思っていなかった。

トオルも、あれだけ

ハワイに住んでる遊んでいる子とは付き合わない!

と言っていたのに。




トオルのドレッサーには、

もう女の子達の写真は飾っていなかった。



ハート「ミラー淋しくなったね。」

スペード「アリスの写真飾らないと。」

ハート「私だけ?」

スペード「もう、遊ばないよ。アリスだけ。」

ハート「ホントにそんなこと、できるの?」



そうは、言ってみたが、

もう私は、100%トオルを信じていた。

信じられた。

そして、

100パーセントトオルだけを

愛する自分も信じられた。




ハート「きーちゃん、今朝来た。

 今夜は、一緒に遊ぼうね。

 って、その顔じゃ無理か。」

スペード「大丈夫。仕事も行くよ。」

ハート「仕事は、やめた方がいいんじゃない?!」

スペード「行くよ。全然平気。」




トオルと私の距離は、

ちょっとづつ近付いてきていた。

それが、ばっちり噛み合った感じだった。

どこも隙間が無い位に固く。

2人の間にあった距離はどこに

吹っ飛んで行ったのだろう。



Jとの恋も、

その他の人との恋も、

素直に

正直に

自分の気持ちに従った。

トオルにだけは、

なかなか素直になれなかった。

日本にいた時と同じように

自分で壁を作っていたところがあった。

その壁が、見事に崩れた。



トオルの仕事までの時間。

幸せに包まれていた。

今までに味わったことがない位の。

私が、ずっと求めていたものは、

これだったんだ。

手に入った。こんな私にも。


”もう離れられない。”



トオルが、

仕事に行く支度を始めた。

キャップを被ってみたり、

髪型を変えてみたりしたが、

どうやっても

腫れと傷は、目立つ。

結局、いつも通りに、

行くことに。

痛々しい。



トオルは、仕事に。

私は、きーちゃんとルミの待つ部屋に。

数時間のお別れ。

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2009年08月24日

失いたくない‥トオルを。

Jが行ってしまって、

1人で部屋まで帰る。

なんとも言えず、

心細かった。




ワイキキでの生活の最後に

大変なことを引き起こしてしまった。

”コレは、天罰だ。

 遊びすぎたための‥。

 Jとトオルと両方一編に失うんだ。”



Jとは、これでおしまいだ。

Jは、彼女のところに帰る。

元に戻る。

それだけだ。



トオルとも‥

Jと付き合っていたことが

バレてしまった。

またがっかりさせてしまって、

もういい加減許してはくれないだろう。




部屋に帰ると、

ルミが心配して、起きてきた。



ダイヤ「アリス、何があったの?」

ハート「大変なこと。」



私は、ルミにさっきの恐い出来事を話した。



ダイヤ「ドラマみたい。」

ハート「私も、ドラマ見てるようだった。」

ダイヤ「トオル大丈夫なの?」

ハート「わからない。

 よく見てない。

 結構ひどく殴られたと思う。

 きっとすごい怒ってる‥。」



トオルは、思いっきり殴られて‥

どの程度?

トオルは、ただ怒っているだろう。

口もきいてくれないかもしれない。

でも、謝っておかないと。



電話をかけようとした。

でも、恐くてかけられなかった。

トオルになんて言われるか。

なんか言ってくれるか。



まだ、心臓の動悸は、治まっていなかった。

まるで、眠気もない。

眠ることもできない。



ぼんやり、考えたり、

思い出して、ゾッとしたりしながら、

朝になってしまった。



早朝、きーちゃんがワイキキにやって来る。

きーちゃんに相談してから、

トオルに電話しよう。



きーちゃんが来ると、

思ったら、急に

安心して、少し眠った。




ドアのチャイム。

”きーちゃんだ!”

飛び起きて、ドアを開けた。

そして、抱きついた。



来て早々悪いんだけど‥

と、昨夜までの話をする。


ダイヤ「とにかく、早くトオルに電話して、

 謝った方がいいよ。早く。」

ハート「やっぱり、そうだよね。」



きーちゃんに言われると、

納得できる。


電話の前で30分躊躇していた。

”よしっ!かけるぞ!”

何度目かの’よしっ!’で、

ようやくダイヤルする。



”出たっ!”

スペード「ハロ。」

ハート「‥‥。」

言葉が出ない。


スペード「ハロ。」

ハート「‥‥。」

スペード「アリス?」

ハート「‥そう。」


”早く。早く謝らないと。”


スペード「電話くれないと思ってた。

 うれしい。」


トオルの声はやさしかった。


”怒ってないの?”


ハート「トオル‥。ごめんね‥。」

スペード「Jと付き合ってるとは、思わなかった。

 アリス、やるなー。」

ハート「顔、大丈夫?」

スペード「すごい腫れてる。

 でも、大丈夫だよ。心配しないで。」

ハート「なんで、そんなにやさしいの?

 怒ってないの?」

スペード「アリスが好きだから。

 電話くれただけで、うれしいよ。

 ありがとう。」



この時になって、初めて

本当に心から、トオルに悪いことした。

許してほしい。

ごめんなさい。

トオルを失いたくない

という思いがあふれ、

涙が止まらなくなった。



スペード「アリス、どうした?」

ハート「トオル、許してくれる?」

スペード「なんで、そんなこと聞くの。

 全然、怒ってないよ。」

ハート「トオルに会いたい。」

スペード「俺もアリスにすごく会いたい。」

ハート「今から行くね。」

スペード「早く来て。」



思いがけない、トオルの言葉だった。

もう、怒って口もきいてくれないと思ってた。

トオルのところに飛んで行きたい。



ハート「きーちゃん、ごめん。

 トオルのところに行ってきてもいい?」

ダイヤ「行ってらっしゃい。」


きーちゃんに、見送られて、

私は、トオルの元に急いだ。

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2009年08月23日

Jは、行ってしまった。

Jは、

部屋の入り口に座り込んだ。

中に入ろうとしない。

私も、まだ震えが止まっていなかった。



トオルに殴りかかっていったJの姿が

何度もフラッシュバックする。

あんな怖い顔見たことなかった。

今、ここにいるJとは、

別人のようだった。



ハート「J、中に入って。」



”こんなことになって、やっと

 Jが部屋に来た‥。”



Jは、動かない。

しばらくして、やっと、口を開いた。



スペード「アリスの所に行くところだった。」


”それは、本当?

 でも、もう、どっちでもいい。”



スペード「なんで、トオルと一緒にいたの?!」

ハート「‥‥。」


スペード「トオルと付き合ってるの?」

ハート「‥‥。」


スペード「トオルを殴っちゃったよ。」

と、Jは、頭を抱えた。



スペード「何も言わないなら、俺帰る!」

ハート「待って。帰らないで。」



Jが帰ったら、

”これでJとは、おしまいだ。”

と思うと、

思わず引き止めていた。



Jは、シューズを脱いで、

やっと部屋に入ってくれたが、

リビングをグルグルと歩き回っていた。

ソファーに座ろうともしない。




スペード「じゃ、ちゃんと説明して。」

ハート「‥ごめん。」

スペード「何が?」

ハート「トオルと出かけた‥。」

スペード「なんで?」

ハート「Jが来なかったから‥。」

スペード「それで、なんで逃げるの?

 トオルとメイクラブしたの?」

ハート「‥‥。」



私は、本当のことを答えられなかった。

でも、嘘もつきたくない。

黙秘しかない。



スペード「答えないならやっぱり、帰る。」



帰られても仕方がない。

私が、悪い?

私は、Jの恋人?

謝って、許してもらって、

また付き合う?

また付き合いたい?

もう、日本に帰るんだ。

ここまでで、いいんじゃない?




Jは、部屋を出て行った。



”J、行っちゃった。

 これで、お終い‥

 どうしよう‥

 ‥‥

 やっぱりやだ!!”



私は、Jを追いかけた。


ハート「待って!」


Jは、振り向いたが、立ち止まらずに

歩き続ける。



私は、ただ後を追いかける。

追いかけるだけで、

何も言えない。


でも、

追いかけずにいられなかった。



スペード「今日は、帰るよ。

 また、後で話そう。」

と、

Jは本当に行ってしまった。

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posted by サクラダ アリス at 12:00| Comment(0) | ワイキキでの恋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

今、思うこと

Jがトオルを殴った場面は、

今でも鮮明に思い出すことができます。

あっという間の出来事だったのですが、

スローモーションのように動いている絵です。


どうやって、あんなに人が

一瞬で集まって来たのか、

今でも不思議。


ワイキキの夜は、

至る所に小さいポリスカーが

待機していて、

ホントにすぐに

駆けつけてきます。



ワイキキは、とっても小さい街。

2人が、バッタリ会ってしまうことを、

軽率なアリスは、

あまり考えていませんでした。



思うがままに、

自由に動き回っていました。



帰国が近く、

じっとしていられなかったのもあります。



人間、誰しも

時間が限られているものなのですが、

こうゆう時は、特に限られた時間に

背中を押されていたのは確かです。



何かを迷った時、

やらないより、やった方がいい!

という基本概念があるせいも。



Jを追いかけて行ったのも、

そうです。

何かが変わるかもしれない

という思いが少しでもあったら、

動かずにはいられない。


ワイキキでは、少し動きすぎました。

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posted by サクラダ アリス at 01:03| Comment(0) | 現在 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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